うめこのブログ

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【洋画】ヘレディタリー継承が怖イイ【★★★★☆】

 

今日は最近の中では久々にゾワっと良かったヘレディタリー継承のレビューをします!

 

私の映画の好きなジャンルは、ホラー、ミステリー、人間ドラマもの、パニックものが多いのでちょっとグロいものが多いです。

SFやアニメはたまにか有名なものだけは観たりしますが、恋愛ものはほぼほぼ選びません。

 

ゴールデンウィーク前にTSUTAYAに行ったので観たいDVDは借りられてるかなぁと思いきや観たかったものは全部借りることができたので良かったです。

 

映画はグロシーンやトラウマ必至のシーンがありますが、予告はたぶんホラーやグロの耐性がない人でも大丈夫だと思います。(心配な人は観ないでください)

 


映画『ヘレディタリー/継承』15秒スクエア予告 11.30(金)永遠のトラウマになる

 

レビューなのでネタバレ含みますので事前情報なく観たい方は鑑賞してから是非このレビューを読んでみてくださいね。

 

 

タイトルに怖イイと書いたのですが、良い話とか感動がある話ではありません。むしろ逆の救いのない話と言っても過言ではありません。

序盤から中盤にかけて少しづつ物語が悪いほうに傾いていく、そして後半で物語がついに爆発するペース配分はゾワゾワします。

 

ちなみに私は救いのない話は大好物です。

 

あらすじ

 

グラハム家の祖母・エレンが亡くなった。娘のアニーは夫・スティーブン、高校生の息子・ピーター、そして人付き合いが苦手な娘・チャーリーと共に家族を亡くした哀しみを乗り越えようとする。自分たちがエレンから忌まわしい“何か”を受け継いでいたことに気づかぬまま・・・。
やがて奇妙な出来事がグラハム家に頻発。不思議な光が部屋を走る、誰かの話し声がする、暗闇に誰かの気配がする・・・。祖母に溺愛されていたチャーリーは、彼女が遺した“何か”を感じているのか、不気味な表情で虚空を見つめ、次第に異常な行動を取り始める。まるで狂ったかのように・・・。
そして最悪な出来事が起こり、一家は修復不能なまでに崩壊。そして想像を絶する恐怖が一家を襲う。
“受け継いだら死ぬ” 祖母が家族に遺したものは一体何なのか?

 

引用:公式サイト

 

 

序盤

 

祖母のエレンが亡くなったところから物語は始まります。

・娘アニーは母親が亡くなっても悲しみよりもホッとしている様子。それはその後明かされるのですがエレンは生前精神病を患っており自分の家に母を引き取っていました。アニーにとっては母を亡くした悲しみよりも肩の荷が下りたという感覚のほうが大きかったのでしょう。しかしその感情自体にアニーは自分が薄情なのではないか、普通じゃないのではないかと悩んでいます。

・夫スティーブンはこの家の中で唯一エレンとは血がつながっていません。自分の近くにいた人が亡くなった悲しみはありそうですがそれ以上の感情は持ちようがない。アニーの事のほうが心配な様子です。

・息子ピーターはエレンの死に一番鈍感に画かれています。高校生という年齢もあるのでしょう、あまり一緒に住んでいなかった祖母なら尚更。あまり祖母の死には何とも思っていない様子。

 ・娘チャーリーはおばあちゃんっこだということですが、このチャーリーは見た目のインパクトからわかるように何を考えているのかわからないので祖母の事もどういう風にとらえているのかわかりません。変わった子という感じです。

 

物語内で亡くなった人がでているのに残された人の心情をリアルに、悪い部分までもリアルに描いています。

このそれぞれの家族の感情って仕方ない事ですよね。このそれぞれのエレンの死の捉え方が面白い(悪い意味ではなくて興味深い)し、本当はこんな感じだよねというのをうまく描けていると思います。その間に少しづつこの家族には奇妙な出来事が起こっています。起こっていますが思い過ごしかな、疲れているのかなと思う微妙なラインの奇妙な出来事なので、不審に思いつつも日常生活を送っています。

 

そしてその後ついにこの家族にとって重大なある事故がおきます。

 

この事故はトラウマ必至シーンで、序盤の一番盛り上がる(?)シーンです。

このときのピーターの反応もすごくいいです。高校生という幼さもあるのでしょうが、「お前こういう時はちゃんとしなきゃだめだろおおお!」と心で叫んでました。(もしかしたらこのシーンの前にドラッグ描写があったのでそれで混乱していたのかもしれません)

 

中盤

 

中盤は序盤に起こった事故によって家族が徐々にバラバラになっていきます。

バラバラになっていくというよりは、かろうじて(主に父スティーブンによって)微妙なバランスで保たれていた家族の綻びが目立ち始めて崩壊していくという感じです。

 

・母アニーは事故によって精神的に追い詰められ、不眠になり、ついには新興宗教のようなものに手を出していきます。

・父スティーブンはアニーを支えよう、家族を守ろうとするもどんどん家族に入っていく亀裂を修復するのは難しいという状況。

・息子ピーターは事故の原因が自分にあるという事に、どうすればいいのかわからないしそのことに関して母親がなにも触れようともしてこない。でも自分はどうすればいいのかわからないという八方塞がりの状況。

 

序盤から感じていた家族の脆さがどんどん浮かび上がっていくのが中盤です。世の中は家族といえども愛にあふれていて信頼しあっている家族ばかりではないのです。人間同士なのだから血がつながっていればすべてうまくいくというわけではないと突き付けられているような中盤は怖いという感覚よりも「胸が苦しいっ!」という感じ。

 

そんな家族が壊れていっている最中も謎の光や奇妙な現象は起こっていて、序盤に比べれば明らかに思い過ごしかでは済まされないという状況。

 

どんどんクライマックスに向けて盛り上がってきています。

 

中盤の家族の食卓シーンで最も最悪なんじゃと思われるシーンは必見です。あんなところでご飯食べたくないですよね(笑)

 

終盤

終盤は物語がついに爆発します。ここはぜひご覧になって頂きたい。

ホラーシーンでおなじみの

「えっ、なにその人間には不可能な動きぃイイイ!!」

とか

「あ!なんかいる!なんかいるじゃん!うしろ!うしろ!ああああ・・・・・え?・・・いない」

とかあります(笑)

 

ジャパニーズホラーのような何かこの世のものではなさそうなものが映り込んでいる感もあります。

なによりも母アニーの叫んでいるときの顔が怖いのですが、序盤からこのアニーはそこはかとなく怖い顔をしていて叫び顔も怖いし、あの有名ホラーキューブリックのシャイニングのお母さんみたいだなぁと思いました。

 

キューブリックぽいといえば、母アニーは箱庭アーティストなのですが、アニーは自分の家などの箱庭を作ることでセラピーをしているという設定でした。なのでこの映画の中での家の映し方が家を真横から壁を無くしてみている、まさにミニチュアハウスを横からみているように映画でも撮っていて、最初のシーンはまさに家の中にあるその家そっくりのミニチュアハウスがあってそこにカメラが寄っていくと、その部屋にスティーブンが入ってきたりして、家族を覗いている感覚がシャイニングの客観的な感じとどことなく似ているなぁと感じました。

ミニチュアハウスと本当の家と区別がつかない撮り方とかは、これは現実なの?それとも夢なの?という感じがでてとても良かったです。

 

そしてラストシーンはなんか私は茫然としてしまいました。

 

そのあとに流れるエンドロールと曲。昔のアメリカのフォークソングぽい曲で、あからさまな怖い曲出ない分、余計に怖さが増していると思ったのですが、あとから知ったのですが「世界は、私が思っていたのとは違う面を持っていた。私は何もわかっていなかった」というような歌詞だそうです。

どおりで怖いわけだ!

 

映画中の効果音の使い方も良かった(怖かった)し、チャーリーの癖の舌を上顎に打ち付けて出す「コッ、コッ、」という音も観終わった後すごく怖くなります!

 

とにかく、最近観た映画の中ではオススメです!