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【映画】キャリー新旧比べてみました【ホラー】

キャリーはスティーブン・キングの小説を映画化した作品で1976年に公開されました。そして続編が1999年に公開され、2013年にリメイク版が公開されました。

今回は1976年公開のものと、2013年のリメイク版を見比べてみたのでレビューしたいと思います。

ちなみに観た順番は2013年版をみてから1976年のものを観ました。

今回は1976年公開のものを旧キャリーとし、2013年公開のものを新キャリーとしてレビューしていきたいと思います。

 

 物語の大筋は同じですが、新キャリーの方がわかりやすくされている点がいくつかあります。アンダーラインの部分は新キャリーで追加された要素になります。

 

 《序盤》

ベッドで一人、出産しているシーンから始まります。母親は生まれたばかりのその子を殺そうとしますが殺せずにその子を抱きしめます。

高校生になったキャリーはいじめの対象になっていました。ある日体育の授業のあとシャワーを浴びていると血が流れているのに気づきパニックになりクラスメイトに助けを求めます。しかしいじめられっ子のキャリーは生理も知らないなんてと生理用品を投げつけられ動画を撮られいじめられてしまいます。そこに体育の女性教師が来てキャリーを連れ出し、生理という女性の体の変化をキャリーに教えてくれるとともにいじめについても気を配ってくれます。

キャリーを迎えに来た母親は家に連れて帰ります。キャリーはなんで生理について教えてくれなかったのかと母親に質問しますが、母親は生理になった=汚らわしいとキャリーを責め、折檻します。

 

 

映画の始まり方から違うのですが、新キャリーはキャリーの誕生シーンから始まります。母親が生まれたばかりの赤ちゃんを殺そうとするのですが、そういういわくつきの子供なんですよという説明のために追加された要素なのだと思いますが、これは余分な説明になりすぎている感じはなくて良かったです。

次はキャリーが高校生になっていていじめられるシーンなのですが、旧の方の授業はバレーボールをしていて新のほうは水泳の授業(水中のバレーボールのようなもの)をしています。その後のシャワーのシーンでイジメが起こるわけですが旧の方のシャワールムでは生徒たちが一糸まとわぬ裸になってシャワーを浴びているシーンがあります。シャワーなのでそのほうが自然な表現なのですが、新のほうはコンプライアンスの関係なのかはわかりませんがシャワールームのシーンにしてはみんな下着くらいの服装でしゃべっているだけのシーンになっています。キャリーだけがストーリー上の必要性があるので裸なのですがうまいこと隠されているのでエロ要素があまりない分、新のほうの授業を水泳にしたのかなぁなんて考えました。

ホラーにエロはつきものですしね。ただ私は旧のほうが好きでした。

 

あとは校長先生と体育教師にキャリーがいじめについて質問をされているシーンがあるのですが、校長先生はキャリーの名前を覚えておらず、体育教師に名前の間違いを訂正されても間違うというシーンがあるのですが、旧キャリーのほうの校長先生は何回訂正されても間違えます。新のほうはたぶん1回くらいだった気がするのですが、これは何回も間違えた方がいいですね。

キャリーの学校での校長先生にとっての存在の希薄さが現れていたと思います。

 

そしてこの映画で一番重要なキャリーの母親ですが、この映画の中で何が一番怖いかといったらキャリーではなくこの母親です。宗教に没頭してしまっているという設定なのですがその描き方が少し新と旧のキャリーでは違いがあると思います。

旧の母親は会話はできるけれど、あまり噛み合わないような。普通そうに見えてずれていて、物語が進んでいくにつれてやっぱりおかしな人だとわかる感がでていますが、新の母親はもう最初から話が通じない感がでています。

どちらも良いと思うのですが私は新の方の母親役の方のほうが好きですね。道ですれ違っても目を合わせたくないみたいな不穏な雰囲気がすごくいいです。

 

 

 

 《中盤》

いじめをしたクラスメイト達は女性教師にプロムへの参加を禁止するか罰として放課後運動をするか選択肢を出された。主犯であるクリスはこれは生徒に対する虐待だと言って他のみんなに運動はやめようと提案するが、プロムへの参加を楽しみにしているほかの生徒はクリスを裏切り運動をつづけた。
クリスは恋人と遊びながらキャリーの話を面白おかしく話し、動画をアップロードしてしまう。
クリスは父親に体育教師にプロムへの参加を許可させるよう頼むが失敗に終わる。そのことでクリスは一層キャリーを恨むようになりました。

 一方キャリーは自分に超能力があるのではないかと気づきます。図書館で調べその能力をコントロールできるようになりました。

 

いじめ集団の一人であったスーはキャリーへの行いを反省しどうにかキャリーへ罪滅ぼしをしようと恋人であるトミーにキャリーをプロムへ誘うように頼んだ。トミーなら学校一人気のある男子であるためキャリーのプロムの最高の思い出になると画策したのだった。

スーの画策によりキャリーはトミーにプロムに誘われます。しかし、いじめられっ子の自分をトミーがプロムに誘うわけはないと断ります。しかしトミーは何度もあきらめず、ついには家に来てキャリーを誘い、とうとうOKしてしまいます。安を期待を持ちながらキャリーはプロムに着ていくためのドレスを作ります。しかしそのことを知った母親は猛反対します。

 一方プロムへの参加を禁止されたクリスは恋人に頼みキャリーに恥をかかせるためキャリーにプロムで豚の血を頭から浴びせるという計画を立てます。

そしてプロム当日キャリーの家にトミーが車で迎えに来ますが、キャリーはプロムに行かせたくない母親と口論になってしまいます。キャリーは母親を超能力で黙らせお祈り部屋に閉じ込めてしまいます。

 

いじめの罰として運動をさせられているシーンがあるんですが、このシーンの撮り方は私は旧のほうが断然良かったです。新の方はこのシーンは嫌々ながらも運動(走り込み的なシャトラン的な運動)しているというのをただ表現した撮り方なんですが、旧のほうは運動(ビリーズブートキャンプ的な運動)しているのを少女達の腰回りから太ももあたりまでだけを映して横にスーッとカメラが動いているのですが、なんというか多感な時期の女子高生のソコだけを写すってこれはエロ要素ですよね!

何度も言いますがホラーにエロはつきものです!

 

そしてトミーがキャリーをプロムに誘うという計画なのですが、まずプロムって何?ってことですが、高校の卒業時期に男の子は女の子を誘いカップルだけが参加できるというパーティーでタキシードを着たり、女の子はドレスを着たりして、女の子の家に高級車で迎えに行ったりと、要するに陽キャの正装したパーティーらしいです。

これ、日本に置き換えたら何かなと考えていたのですが、一番近いのは成人式かなーとか思いました。とにかく陽キャが行きたいイベントです。日本にはなくて良かったなーと思いましたが、日本はオタク文化というか、コミケとかそっち方面のほうが発達しているなとか考えたりもしました。

 

この辺からはキャリーの心の変化が起こってきて、トミーの事を徐々に信用し、ついにはプロムへ一緒に行くという事になるのですが、母親には猛反対され折檻されそうになりますがそのころにはコントロールできるようになっていた超能力で力ずくで母親に認めさせます。ここはもっとやれ!思いました(笑)

キャリーはみんなから変わっているとか色々言われていますがそういう心理的な変化は、親離れというか反抗期というか、そのくらいの年代の女の子にとってはいたって普通の感じがします。

 そしてプロムへ行く直前母親はキャリーにドレスなんか着て厭らしい!的なことを言うのですが旧の方はキャリーの乳首がドレスの上からわかるのがイヤらしいと言いますが、新の方では胸の谷間が見えてイヤらしいといいます。ここの表現も旧のほうがドキッとしていいですね。

 

 

 《終盤》

トミーと会場に向かったキャリーはドレスを纏い見違える程綺麗になっていました。ダンスをしプロムを楽しみ、ついには投票でキングとクイーンに選ばれます。

その頃スーはクリスからメールが来て嫌な予感がし、会場に向かいますが勘違いをした女性教師に締め出されてしまいます。

そしてキャリーとトミーが壇上に上がった時、上に吊るされていた豚の血が入ったバケツがひっくり返されます。血まみれになったキャリーが混乱しているとステージのバックにいじめられているキャリーの動画が流れます。そしてバケツがトミーの頭に落ちトミーは死んでしまいます。

それを見たキャリーは裏切られた。みんなに笑われていると思い超能力が暴走します。会場は騒然となり混乱し火事になってしまいます。会場を出たキャリーを見つけたクリスは恋人にキャリーを車で轢いてと頼み、恋人はアクセルを踏みます。しかしキャリーの力の前では無駄で車もろとも爆発してしまいます。

失意のまま家に帰ったキャリーはバスタブで血を洗い流し、母親に慰めてもらおうとします。母親はキャリーを抱き締め慰めるふりをしてキャリーの背中をナイフで刺します 。驚いたキャリーは逃げますがとどめを刺そうと母親は追いかけてきます。いよいよ刺されそうになった時キャリーは超能力で、家中のナイフで母親を刺し磔にしてしまいます。

スーがキャリーを心配し、キャリーの家にやってきますがキャリーにスーが妊娠しているということ、その子が女の子であるということを予言します。

 

我に返ったキャリーは母親を抱き締めナイフを抜き家を破壊してしまいます。崩れゆく家の中でキャリーと母親も死んでしまいます。

 

プロムのシーンは基本的にはトミーとキャリーは良い感じになっているのですが、旧の方は私はトミーが本当にキャリーを好きになりかけているくらいに感じるのですが、新の方ではトミーはスーに「君が恋しいよ」的な メールを送っています。これは実際のトミーの感情が新のほうだとしたら本当にキャリーはかわいそうというか救いがないですよね。トミークズだなと思いました。

豚の血を上からかけるというのはもういじめを通り越して傷害なような気もしますがこの血のかかり具合というか見事にかかってる感は旧のもののほうがキレイに(?)かかっていて良かったです。

そこからはキャリーが覚醒するというかキャリーのターン!!ってシーンなんですが、怖いというよりはカタルシスを感じるシーンですね。もっとやったれ!って感じです。

特に新キャリーのほうが現代になり撮影の技術が向上しているので、旧のときよりも派手な事が起こっていますが、どうしても私はここの旧キャリーの表情とか、演技が好きですね。このシーンは旧のほうが暴走している感じが出ています。

 

 

《全体を通して》

全体を通しての私の評価は観るなら1976年公開のキャリーがおススメです。なぜかというとキャリー役のハマり具合が1976年版のシシー・スペイセクを超えられる人はおそらくいないのではないかという位ピッタリなのです。

2013年版のクロエ・グレース・モレッツは何といっても可愛すぎるし健康的に見えるし、いじめられっ子だという説得力がどうしてもかけてしまうのです。もう最初の水泳で馬鹿にされているシーンからクロエの顔面一人勝ちって感じで、授業中などのふとした仕草とかもうこの子はこの高校のアイドルでしょ?って感じです。

こんなに可愛いのでプロムでドレスを着てみんながキャリーを見直すという場面でも、そりゃこの子もとがいいもの!としか思えなかったんですよね。要するに陽キャとしか思えないのです。

その点、旧のほうのキャリーはシシー・スペイセクの説得力!!!これはすごいです!キャリーのターン!の暴走シーンの演技も必見です。

イケてるいじめっ子役のクリスも旧の方は可愛くてずる賢くて嫌な感じがピッタリでした。

ラストも私は旧のほうが好きでした。あと旧の方でこのキャラクターいいなぁと思ったのは名前が分からないのですが、キャップをずっと被っているいじめっこの女の子が良かったです。いじめっ子ナンバー2みたいなキャラです。このキャラは新の方は居なかったように思います。

 

唯一2013年版で良かった点ですが、母親役は新キャリーのほうが私は好きでした。話をしようとも思えない不穏な雰囲気がよかったです。何が怖いって、この母親が一番ホラーでした。

 

なので私的には1976年公開のキャリーがおすすめです!